食材の教室

クリのお話

(chestnuts)

【プロフィール】 profile
ブナ科クリ属。原産地は、日本、中国、朝鮮半島南部など。世界の温帯地方に広く分布する秋の味覚の代表です。クリはナシと共にもともと日本にあったといわれている果物(重要な食物資源)で、古墳時代の300年ごろ、焼き栗等の栗の加工品が流行したと記述があります(『魏志倭人伝』)。奈良時代、持統天皇が宮中で使う野菜を作る菜園を管理する園司を置き、ナシやクリ、カブ栽培を進める詔書を出しています。大別しますと、日本ぐり、中国ぐり、ヨーロッパぐり、アメリカグリなどがあります。焼き栗としてなじみの深い天津甘栗は中国ぐりで、小粒ですが甘味が強く、渋皮がはがれやすいです。ヨーロッパぐりは害虫や病気に弱く、日本では栽培できないですが、マロングラッセなどの菓子原料としてイタリアから輸入されています。

 

【栄養について】 nutrition
炭水化物、食物繊維を多く含む高カロリー食品ですが、糖質の代謝を助けるビタミンB1、B2、ナイアシンも含むので、効率よくエネルギー補給できます。また、クリのビタミンCはデンプン質に包まれ加熱による損失が少ないのが特徴です。渋皮に含まれるタンニンにはポリフェノールがたっぷり含まれています。伝統的な料理法である渋皮煮はクリの抗酸化作用を逃さずにいただける優れた食文化です。

 

【見分け方】
皮(鬼皮)にふっくらとしたハリがあり、ツヤのあるもの、よく乾燥しているものを選びましょう。濃茶色で実がはちきれそうに太ったものは、生育のよい良品です。持った時に手応えのある重さのあるものを選ぶのもポイントです。

 

【保存方法】
皮がかたいので日持ちがよいと誤解されがちですが、時間がたつと水分が減って皮にツヤがなくなり、、中身も縮んで甘みもとんでしまいます。また、そのまま保存すると鬼皮と渋皮の間に産み付けられた卵から虫がかえって食べられなくなります。すぐに食べない場合は、1%の食塩水に10時間ほど漬けて、水けをきってから冷蔵庫で保存しましょう。

 

【山口晴子のオススメ】
銀寄(ぎんよせ)・・・丹波地方の原産。能勢栗の代表品種で、9月下旬から10月上旬に熟す中生種。

 

<コメント>

クリはビタミンC、カリウム、食物繊維が豊富という果物としての特徴と、ビタミンE、鉄・銅・マンガン・亜鉛などが豊富なナッツ類としての特徴、そして、でんぷんが豊富という穀類としての特徴をあわせ持っている珍しい食材です。